ペン先素材のおはなし

ペン先素材のおはなし

2021年9月22日 0 投稿者: 日本スクラッチアート協会

日本スクラッチアート協会です。皆様はスクラッチアート制作の際、どんなペンをご使用しているでしょうか? 特にペンへこだわりのない方は、購入したスクラッチアートシートに付属するペンを使っているかと思います。スクラッチアートペンを材質で分けるとおおよそ①樹脂、②竹、③木と④金属に分類されているのは知っていますか? 順番に素材の特徴を簡単にご紹介いたします。

樹脂はABS樹脂という素材を使用していることが多いです。アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂の総称ですが、この辺は特に覚えなくても構いませんw 特に低温度で加工できるので、大量生産するのにお安く便利な素材です。軽量で使用強度も十分なのですが、有機溶剤やアルコール類、鉱物油、強酸強アルカリ、紫外線に弱いとされています。スクラッチ制作を続けていると、紙に押され続けて次第に先端が変形…、最終的には削れにくくなってしまう素材ということだけでも覚えておいてください。

竹素材はなんといってもコストパフォーマンスに優れた素材です。イネ目イネ科と実は草に分類されるようです。この辺は学術的考察でマチマチですが…w。 繊維単位で強度がありバネのようにしなりがあるのが特徴です。スクラッチアート制作では、まず先端の繊維が潰れてしまいますが、カッターなどで整えれば再度使用可能になります。スクラッチアートでもこの竹素材のペンを付属するメーカーも多く、バネのようなしなりが削り心地を向上させてくれるので、多くの愛好者がいる素材といえます。

木素材はたくさんの種類がありますが、スクラッチアートでは一般的に白樺材を指していることが多いです。安価で素材が柔らかくて加工しやすいというのが特徴で、日本では爪楊枝として非常に入手しやすいのも特徴です。柔らかい素材のためスクラッチアート紙を傷つけにくく、適度な弾力で指先が疲れにくい素材ともいえます。ただしあっという間に先端が潰れやすいため、先端を整えるというよりも、その都度新品に交換するほうが簡単な素材といえるでしょう。

最後に金属ですが、万年筆の先が割れていないバージョンや千枚通しのようなニードル形状をイメージしていただくとよいでしょう。素材はスチール、アルミ、真鍮などがあります。先端が変形しにくいのが特徴で、細かい小さな部分を削ることができます。また硬い金属素材(特にスチール材のニードル形状タイプ)は削り心地が長期間続きますが、筆圧が強いとスクラッチアートシート自体にダメージが残ることもあるので注意が必要です。

以上、超おおざっぱですがスクラッチアートに適したペン素材を紹介しました。どれも一長一短というのがお分かりなったでしょうか?

そこで今回、木(白樺材)素材を先端に採用したスクラッチアート専用ペン「ノック式スクラッチアートペン(白樺)」を作りました(宣伝)。ぜひ一度スクラッチアート制作のお供としてご利用くださいませ。